バリカンの切れ味を復活させる研磨方法｜切れない刃の研ぎ方や切れ味を戻す方法も

お子様や自分の散髪用にバリカンを使用した経験がある方も多いですよね。バリカンは自分好みのヘアスタイルを作りやすいうえに、理髪店や理容店に行く手間とコストも省ける便利なアイテムです。

しかし、バリカンは長く使用していると少しずつ刃こぼれが生じ、切れ味が悪くなります。一度切れ味が悪くなったら、本体ごと買い替えたり替刃を購入するしかないと思っていませんか？実は、対処法のひとつとして、自分で刃を研磨して切れ味を復活させる方があります。

この記事では、切れ味の悪くなったバリカンの対処法や刃の研ぎ方について紹介します。切れない刃の切れ味を戻すお手入れ方法や替刃の交換についても必見です。お気に入りのバリカンを長く使い続けるためにも、ぜひ参考にしてください。

バリカンの切れ味が大きく落ちる原因としてよく上がるのは油切れです。バリカンの駆動部品は車のエンジンのような構造になっています。油切れを起こすと駆動部分から異音が出るので、気づいたら油を差しましょう。

また、刃を研がないと刃先が丸みをおびてきます。使用頻度がそれほど多くないとなかなか気づかないですが、研がないまま使用すると切れ味が悪化していきます。

バリカン内部に搭載されているバッテリーや刃は消耗品なので、これらが寿命を迎えると使用できません。ただ、この寿命は品質や素材・使用時間・使用頻度によっても大きく変わってきます。たとえば、パナソニックのバリカンの中には月2回、1回20分程度の使用で刃の寿命は約2年と記されているものがあります。

バッテリーの寿命はコントロールできませんが、刃の寿命はメンテナンスによって伸ばせる可能性もあるので、以下でより詳しく見ていきましょう。

バリカンの刃の切れ味が悪くなる原因として、最もよくあるのが油切れです。購入以来、ずっと油を差さずにバリカンを使用している方は、油切れが原因で切れ味が悪くなってしまっているかもしれません。

機械には、メンテナンスとして定期的に油を差すと思いますが、バリカンも同じです。まずは油を差してメンテナンスしてみましょう。油切れが原因の場合、油を差すだけで切れ味が復活する可能性もあります。

使用年数が長く替え刃が販売されていない場合や、自分で研磨するのが面倒だと感じる方は、思い切ってバリカン本体ごと買い替えるのもひとつの手です。特に、元々安価な商品の場合には、替え刃を購入したり研磨したりするのにかかるコストの方が、買い替えコストを上回ってしまう場合もあります。

買い替えるなら、回転によって刃が自動的に磨かれる、自動研磨機能が付いているものがおすすめです。

使用年数が浅い場合や本体に劣化が見られない場合には、替え刃を購入して刃の部分だけを変える方法もあります。安いもので1,000円台、高いものだと5,000円以上で販売されているものもあり、メーカーや機種によって価格はさまざまです。

替え刃や本体の買い替えではコストが気になる方や、自分の手で切れ味を復活させたい方は、バリカンの刃を研磨してみるのがおすすめです。一見難しそうに感じる研磨ですが、手順をしっかり守って行えば、切れ味の良さも取り戻せます。次の項目では、研磨の具体的な方法について詳しく解説します。

バリカンの刃を研磨するのに必要な道具は主に3つです。

• 細かめ（6000番）・粗め（3000番）の砥石それぞれ1つ
• オイル
• 刃の持ち手にするためのマグネット

マグネットは研磨する際に刃に付けて持ち手にします。刃を固定できれば、マグネットでなくても構いません。

まずはバリカン本体から刃を取り外し、ブラシでこすって埃や毛髪を取り除きます。隙間に細かい毛髪が付いている場合が多いので、ワイヤーブラシや歯ブラシがあると便利です。ブラシで落ちない汚れやサビは、バリカン洗浄液を使って洗浄しましょう。最後にタオルでこすって残りの汚れを落としつつ、刃を乾燥させます。

必ず必要というわけではありませんが、研磨中に手を切ったり刃を落としたりしないように、刃にマグネットやマグネットホルダーをつけて持ち手となる部分を作るといいです。マグネットはバリカンの刃先が表面に出るように取り付けましょう。ここまで準備ができたらさっそく研いでいきます。

まずは目の粗い砥石で研いでいきましょう。刃を30～45℃に傾けて砥石に当て、奥へ押し出すように一方向に5～10回研ぎます。タオルで金属粉を落とし、反対側も同じように研ぎましょう。次に、目の細かい砥石を使い一方行に5～10回研ぎます。

目の粗い砥石だけでも刃は滑らかになりますが、細かい砥石で仕上げるとより鋭くきれいに整います。

研磨を終えたら刃を水洗いして乾燥させましょう。乾燥したら、刃の向きが元通りになるように本体に取り付け、最後にバリカンオイルを塗布します。バリカンオイルは刃に数滴塗っておくだけで刃の摩耗に繋がる摩擦を軽減し、過熱を防げます。

犬用バリカンとして使われるスピーディックも、自分で研磨できます。研ぐのは難しそうに見えますが、研磨剤を使えばすぐに切れ味がよくなります。研磨剤を使う手順を紹介します。

1. 刃先を分解し、水洗いする
2. 研磨剤を刃先と可動部に塗る
3. 元通りに組み立てる
4. 5分間稼働させる
5. もう一度分解して水洗いし、乾かす
6. 潤滑油を塗って組み立てて完成

※音が出ます

ここまで自分でバリカンの刃を研磨する方法を紹介しましたが、難しそうだと感じる方や忙しくて時間がない方は、研ぎ屋や専門業者に依頼するのもおすすめです。

一般的なバリカンの場合、料金は1,000～2,000円台、ほとんどの場合5～7日程度で手元に戻ってきます。自分で研磨するよりも多少コストはかかってしまいますが、大切なバリカンだからこそ、プロに任せるのもひとつの手です。参考までに専門業者のリンクを載せておきますので、ぜひチェックしてください。

バリカンの替刃の交換時期は、以前のように切れない・刃が減っている・刃の動きが鈍い・刃が錆びた・動作音が大きく感じるといった現象が表れた時です。これらを無視して使い続けていると、故障の原因になりかねないので、速やかに交換してください。

また、浴室などの湿度が高い場所に置いておくと、刃が錆びたり本体が故障したりするので気を付けましょう。以下のリンクで、詳細について記載しているのであわせてチェックしてください。

バリカンは切れ味が悪くなったら買い替えてしまう方も多いと思いますが、こまめにメンテナンスをすれば長く愛用できます。ぜひ記事の内容を参考に、使い慣れたバリカンを研磨してみましょう。切れ味が復活して、ぐっと使いやすくなるかもしれません。